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職業安定法第一八条で規定されている求人の申込承の際に、明らかにしなければならない「従事すべき業務の内容」、労働基準法第一五条第一項及び労働基準法施行規則第五条第一項で規定されている労働契約締結時に明示しなければならない「就業の場所および従事すべき業務」は、労働契約締結後の当面の「就業の場所」、「従事すべき業務」を意味し、その後の勤務場所や担当業務は当該労働契約の解釈によって決まる、すなわち前述のような取扱いが原則になるということです。
ここで注意しなければならないのは、このような原則的取扱いがなされてきたのは、正社員といっても男性労働者に対してであったということです。
女性労働者については、終身雇用制など正社員を基礎とした雇用慣行のもと、雇用期間が短い、家族の生計費に見合う給与は男性労働者に支払うというシングルィンヵムシステムなどの制約により、事実上、企業の基幹業務から外され、定型的・補助的な業務に従事する形態が一般的であったということを忘れてはなりません。
ですから、パートタイマーを除く期間雇用者の業務を考える場合、なぜその当該労働契約に契約期間が設けられたのかという目的を中心に考えるとしても、当該労働契約の当事者が男性労働者であるのか、女性労働者であるのかということにも注意しなければならないといえます。
期間雇用者の業務をどのように設定するか、また担務替えや職種転換を行うことができるかどうかは、契約の自由の原則にもとづいて、当該労働契約で自由に設定することができます。
しかし、とくにその点について合意していない場合、どのように取り扱われるかは、その期間雇用の目的によって、事案ごとに考える必要があります。
そこで、期間雇用の形態の差に着目して考えてふることにします。
出稼ぎのような形態の期間一届用者このような雇用形態は、東北の農家の場合のように、農業に従事できない期間の承就労するという意味で、契約期間自体に重要な意味があります。
従事期間が、ある一定期間に制約されるため、従事する業務も公共事業の現場作業や土木作業、また企業の工場などに勤めたとしても、会社の基幹業務というより、臨時的・補助的業務に従事しているのが現実です。
したがって、このような期間雇用者については、職種変更は想定されず、担務の変更程度が実施されることになると思われます。
臨時の業務のための期間雇用者企業にいわゆる本業があり、その本業とは別に発生した臨時の業務を遂行するために雇用される期間雇用者です。
したがって、契約の目的がこの臨時業務を遂行するための労働契約と考えられているので、臨時業務に関連する業務に従事することが業務内容になります。
つまり、本業に従事させることは、当該労働契約の内容に、含まれていません。
また、後述する契約更新の問題を考えても従事させるべきではないといえます。
期間ごとにその業務担当者の適格性を判断する期間雇用者この形態の典型は、大学の非常勤講師という雇用形態でしょう。
つまり、学生を確保する目的から、より能力の高い講師を雇用できないかなどをつねに検討して契約を更新するかどうかを考える性格を有する業務に従事する期間雇用者といえます。
したがってこの形態では、原則として当該労働契約で業務内容が特定されていると考えられます。
この形態は、現在、有名塾の花形講師のような場合にもみられると思います。
側季節的な受注に対応するための期間雇用者この形態は、会社の受注が季節的な要因に左右されるため、その時期だけ期間雇用者を雇用するというものです。
冬の時期であれば、出稼者のような対応もありますが、春や、秋の場合は、外部労働市場からの期間雇用者を募ることになると思います。
そして、この期間雇用者は、増加する業務に対応して雇用されるわけですから、その業務、つまり会社が本業としている業務に従事することになると思われます。
当該労働契約の内容も、原則として、その期間は会社の業務全般に就労するものになる可能性があります。
不況の際の雇用の調整弁としての期間雇用者この形態は、正社員が長期雇用システム下にあるため、その雇用調整が難しいことから、雇用の調整弁として締結された期間雇用者です。
当初は、正社員が基幹業務、この期間雇用者である臨時工が補助的・臨時的業務に従事するという形態が一般的であったようですが、高度経済成長期にはこの期間雇用が更新という方法によって長期化し、それに従って正社員と同様の基幹業務に従事するようになってきました。
したがって、基幹業務に従事するようになった臨時工も、工場などの枠内においての担務変更はなされますが、やはり長期雇用を前提とした職種変更は、原則として当該労働契約の内容には含まれていないと理解されます。
労働条件に格差を設けるための期間雇用者実定法上、同一労働・同一賃金の原則の定めはなく、労働条件は契約の自由の原則にもとづいて自由に設定することができますが、労務管理上、正社員間に異なる労働条件を設定するのは難しいといえます。
そこで、労働条件、とくに賃金コストを低く抑えて雇用するという場合、法律上の問題ではなく労務管理上の問題から、正社員ではないから賃金が低いのです、として、労働条件の格差を正当化するために期間雇用者という形態がとられる場合があります。
この場合、業務は正社員と変わらないということになります。
そして、場合によっては職種変更が実施されることもあると考えます。
また実務では、この形態に前述の雇用の調整弁としての意味も付与していると思われる事例が承られます。
例女性労働者の処遇のための期間雇用者女性労働者は、正社員といえども、短期雇用を前提とした業務配置が行われてきました。
男女雇用機会均等法成立後一○年を過ぎた今日でも、その形態はまだ残っています。
そればかりか、今日、正社員として雇用した場合、短期間で女性労働者が退職することが以前ほど多くないため、〃契約社員″の名のもとに期間雇用者として雇用する事例が承られます。
そして、その目的を達するために、更新回数に制限を設ける会社もあります。
この場合、担当業務は、正社員の女性労働者と同一という形態がほとんどだと思います。
加えて、この契約では、労働条件格差の正当化だけでなく、雇用調整弁としての意味までももたせようとしている例があるといえます。
プロジェクトなどに専門的な能力者を従事させるための期間雇用者労働基準法が、原則として労働契約の期間を一年に限定していることは、すでに説明したと期間雇用者の勤務場所おりです。
そのため、三年間の。
プロジェクトの遂行に必要な専門的な能力を有する労働者を一厘用する場合、期間雇用がなされています。
また、専門的な能力を有する人を一定期間雇用するために期間雇用して更新を行い、使用者が考える期間だけ雇用するという形態もみられます。
このような契約の場合、当初の契約から更新回数の制限が設けられているようです。
したがって、この期間雇用の場合は、まさに業務内容がその専門的能力を生かすために特定されているといえます。
現在、このような就労形態は、「契約社員」と呼称されており、期間雇用者とは別の観点から考える必要があるといえます。
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